メモのようなもの

映画と舞台の感想とか諸々

「青い瞳」@シアターコクーン

人間の価値とは、感情とは。
パッションもなかなか難しいお話だったけれどもこちらもまた。

この舞台には、元も含め3人のアイドルがいる。

そして、伊藤蘭さん。

上田さんとあっちゃんはさすが目線などはアイドルだなさすがだな、と。
舞台役者さんのほうが実力があるのは百も承知ですが、この2人は2人でアイドルとしての経験をしっかりと活かしていて引き込まれた。
が、その2人以上の存在感があったのは伊藤さん。さすが伝説のキャンディーズ
あっちゃんとの対談を見るに、伊藤さんはかなり彼女に影響を与えているみたいで、あの頃のアイドルさんがそれぞれの道を選ぶ中で次の世代に継承していくのはエモいよね・・・

一幕目、とにかく人々が普通ではなくてぐちゃぐちゃだったのが二幕目には少しずつ戦争前に戻っていく。
戦争の愚かさ云々ではなくて、戦争によって価値観が変わってしまい、多くを疑ったり怯えるなかで真実とは何かを見出す物語・・・なのだろうか。
そもそもいつの時代なのか。戦争はどのくらい前なのか。背景が明かされないからこそ余計に混乱してしまった・・・


ツトム@中村獅童さん
中村さん歌舞伎役者なのに台詞や動きにそれっぽさがなくて、幕間で歌舞伎座のチラシ見るまで忘れていた。
某敦子の彼氏さんは歌舞伎役者感が強かったのでこれは外仕事の違いなのかな?
叫ぶし訳のわからないことで切れるしとにかく怖い。けれどタカシマさんによって少しずつそれが和らいでいき、表情すら穏やかになっていた。
ミチルの前でのお兄さんなツトムが一番好きだったけれど、母の前での頼りない姿も壊れかけていたツトムの姿とは違って、ああ元のツトムってこんな感じかな?と想像できた。

サム@上田竜也さん
上田さんといえば女装が似合いそうなイメージだったけれどいつの間にかすごいイケメンになってるし、演技も上手い。
サムもまともなようで割と壊れている。突然笑うのはともかく、ミチルに求めた愛がまあまあ病んでいる。いやミチルがおかしいのか?
きっと別れたあともサムはミチルを忘れられないんだろうな、ミチルと最後に向き合う場面からしてそう見えた。ミチルにミチルの唯一の愛を自分に向けて欲しかったような?
仲間との平和を求めたはずの暗い日常の中で彼もまた壊れていたのかもしれない。

ミチル@前田敦子さん
あっちゃん卒業コンサート以来の生あっちゃん、綺麗になって・・・彼女といえばドキュメンタリーで見た西武ドームフラゲで、直前までフラフラだったのに音楽がかかりライトが当たった途端笑顔になっていて鳥肌が立ったのが今でも忘れられない。
それが塗り変わるかもしれないほど強烈だった。元々病んだキャラは似合ってたけれどそこにアイドル時代を思い出すようなキラキラとして軽やかな姿が加わり、美しいけれどもどこかいびつに見えた。
彼女は誰よりも何よりも家族が大切だったからこそそうなったのかもしれない。二幕目ラストの行動のいくつかにそれが見受けられた。
アイドル時代は比較的背が高いイメージだったけれど上田さんとのバランス良かった!
勝村さんとカテコで仲良しだったり卒業後は自由に楽しく頑張っているようでほっとしました。


母@伊藤蘭さん
わたしはキャンディーズを歌とメンバー名しか知らなくて伊藤蘭さんも一番細い子で、水谷さんの奥様としか知らなかったのが恥ずかしい。
圧巻の演技でした。壊れているようで壊れていない、溺愛ゆえに冷静さを失う母親の姿が怖いくらいにリアルでした。
ヒステリックになるところも「あー!」となるくらいインパクトと同時に現実感がある。
母は息子が好きとはよく聞くけれどまるで彼女の中にミチルが存在していないことが苦しかったし、父親とあからさまに声色を変えツトムに接しおそらくサイトウに嫉妬していて共感どころか怖くなった。
でも最後にはまっすぐで柔らかな母の愛があって。これからはきちんと新たな未来に進み始めるミチルとも向き合ってほしいなあ。

タカシマさん@勝村政信さん
アドリブやら笑いやらを大方担っていた岩松さんとともに実質大黒柱。
そして、ツトムを救ったひと。彼の本当の姿がなにか、ではなくツトムのためにタカシマさんとして存在しようとした事実が壊れたツトムを救っている。むしろツトムの家族すら救っている。
ほんとうはまだ救いたい若者たちもいたはずなのに、少しずつそれぞれが狂ったためにそれは叶わなかった。
コミカルなだけに抱えていることがとても重くみえた。
ラストの方、ミチルが作ったお弁当を奪って「結婚したい」とぼやく場面、同意しかなかった。ぼくもあっちゃんのお弁当食べたいし結婚したい。まあできないのですが。


多少だけれど伊藤蘭さんとあっちゃんが歌うシーンがあって根がオタクなので幸せでした。

あとドルオタはどこのドルオタだろうと舞台マナが残念なことが少なくないよね・・・
共演者を大声で文句つけたり、平気で寝たり、去年のいくちゃん舞台でもえーって思うことがあったし、そういうのが本人たちの今後に影響するかもと考えて行動しなきゃなと自分自身も反省しました。

というのも来週はリボンの騎士!いくちゃんすきだ・・・