メモのようなもの

映画と舞台の感想とか諸々

蜜のあわれ(2016・日)


ロフト様で売っている「ワナドゥ手帳」を使用し始めたのですが、読み返すと支離滅裂でドン引きしました。
なので、やっぱりこっちもやろうかな・・・



「蜜のあわれ」★★★★☆


まず前提として、わたしは大正ロマンだとかレトロだとかが好きです。文化自体もそれに関連した作品群も。
ただ最近出てくる作品はなんちゃってというかそういうのすきでしょ?売れるでしょう!みたいなのが透けて見えたり、考証が雑で萎えることも少なくないのですがその点この作品は良かった。

始まり、もといOPも昭和ドラマのようだし、服装や言葉遣いに至るまで基本的に丁寧だった。撮影地的に仕方ない部分はあるにせよ、世界観がうまく構築されていて引き込まれる。

筋書きは金魚ながら人間の少女となった「赤井赤子」と「おじさま」を中心とした官能的な交流。でも下品さも薄くて絶妙。唯一現実的故に生々しい描写はあったけど他は生々しさは感じられなかった。
4つの章に分かれていて多少増長に感じたかな・・・


なによりも役者が素晴らしい。
ヒロインを演じる二階堂ふみちゃん、あんなに可愛いのに濡場も露出もこなしてこれは映画オファーたくさんくるな、と納得。同年代女優も結構美人さんが多いけれどこの手のシーンを出来るのって彼女以外あまり浮かばない(知識がないだけ)
あと、たとえば「〜だわ」の「わ」とかアクセントが独特で絶妙。現代的さを消していて作品世界に馴染んでいた。真っ赤な洋服もよく似合っていました。

おじさま、を演じる大杉漣さんはもうなんとちうか素晴らしい。
職場のハラスメント野郎が冗談抜きでアレすぎて周りから人事にチクるのを勧められる現状のせいでおじさんとやらに耐えられないかと思ったけど全くそんなこともなく。
気持ち悪さがないのに欲に負けてて変態じみていて良かったです。

恋のライバル?真木よう子さん、良かったです。ネタバレキャラなので特には書きませんが二階堂ふみちゃんとのアレなシーン最高でした。ありがとうございました。あるとは思わなかったから余計に感激いたしました。  

そうそう、芥川龍之介もなかなかいい立ち位置でした。


期待していたより良かったかと言われると微妙なところ。
とはいえエロティックでレトロな世界観とそのなかで違和感なく存在して見せた役者さんたちは期待以上。こういう作品がもっと増えるといいのになあ。なかなか問題もあるとは思うのですが、時代劇同様日本独自のものだし、時代考証もそこまで困難ではないはず・・・
少女椿が少し近いですが、ちょっと既に残念な点があるので観るかは迷いどころ。