メモのようなもの

映画と舞台の感想とか諸々

劇場版名探偵コナン 純黒の悪夢

★★★★☆


毎年公開されて、なんだか毎年周りの誰かしらは観ているコナン映画。
なんと20周年!の記念作品でもあります。ドラえもんポケモンと並ぶ毎年恒例映画シリーズ、劇場で見るのは初めてでした〜


最初にコナンが全く出ずに、FBIの赤井秀一(声がシャア)、公安警察の安室透(声がアムロ)、そして今回のゲストキャラ(声が天海祐希)のカーチェイス。
というスタートで、今回はアクションが結構多い印象。
OPのメインテーマはやっぱりこれがコナンなんだよなあと思わせてくれる上に映像のクオリティも高かったです。

大まかなあらすじとしては・・・
ゲストキャラがカーチェイス後記憶喪失になり、少年探偵団と遭遇し共に行動する中で灰原が「もしかして組織のNO.2かも」と疑い、それと共におなじみ黒の組織が動き出す・・・と同時にゲストキャラのカーチェイス前の行動によって組織に潜入した公安の安室、CIAの水無伶奈が狙われる・・・というもの。
つまり誰かが死んで謎を解く、という普段のコナン君とは一味違います。
その分、大人でも楽しめる良作でした。



ネタバレいきます


・赤井と安室がとにかくイケメン
顔も声もそもそもイケメンだけどね・・・自己の任務にきちんとプライドを持って遂行するのはやっぱりかっこいいと思いますよ、他のキャラもだけれど。
今回はこの因縁たっぷりの2人の格闘シーンが見れます。赤井さんのポーズが謎すぎると思ったのですが多分カンフーだろうか。というか格闘のタイミングがタイミングすぎて突っ込みたかった。
今回コナン並に活躍のおふたりですがこれでまた女性ファンも増えますね(下衆)
そうそう、安室さんは「あのキャラ」と意外な関係があって、それがクライマックス大きく影響してきます。伏線のようなものは本編で示されてたらしいですが言われなきゃわからなかった。


・ゲストキャラ声優が素晴らしい
コナンのゲストキャラ、といえば安定の芸能人。そしてここ数年とにかく芸能人が声をあてるだけで叩かれる傾向。それもわからなくはないのですが今回の天海さんは本当にうまかったです。
元が男役だったのもあるのか、普通の声と低い声をうまく使い分けていてもうその低い声がカッコいいのなんの。舞台畑の人は声当てるのも上手いイメージですが天海さんも同様でした。あとはキャラと天海さんの声がよく合っていたのでそれだけにラストは辛かった・・・


・やっぱり無能なジン
マジで解雇したほうがいいんじゃないか。いや、いつもよりは有能だった・・・かな?しかし黒の組織、スパイが多い。


・定番のアレがない
そう、アレです。
ヒロイン蘭ちゃんの、劇場版でおなじみのアレです。そして蘭ちゃんの敵も真っ青な戦闘能力も見れず・・・ぼかぁ、コナンで1番古い記憶は車の窓ガラスを脚で蹴飛ばして割る蘭姉ちゃんなんだよ(マジ)




それにしてもコナン、いくら少年探偵団がいるとはいえあんなに人があの世に行きまくるのに今もなおちびっこ向けに展開されているのすごいわね・・・

あやしい彼女(2016・日)

新年度も本格的に始まってきちゃったし途端に仕事が増えてぶっ倒れそう。残業代しか楽しみがない。


あやしい彼女
★★★★★


多部ちゃん可愛い大好き(簡潔)



あやしい彼女、元は韓国映画だけれど日本風にアレンジして製作されていて流れる曲も馴染み深いものが多い。
見ていてとても楽しくて、でもちょっぴり?とっても泣けて幸せな気分で劇場を出られた。


多部ちゃん、女手一つで娘も孫も育ててきた→楽しみも捨てて頑張ったことをアピールして娘と喧嘩→「じゃあ好きに生きてやる!」と家出→物思いにふけっていたらなんだか写真館が輝いている→温水洋一にシャッターを切ってもらったら何と若返り!→うっかりのど自慢大会に参加して何故か孫のバンドに参加→白塗りバンドを懐メロバンドに変えたら人気爆発!要潤にスカウトされるしなんだか要潤ともいい感じ!

というジェットコースターよろしくなストーリー。
そのあとが結構真面目な内容なんだけれどここまですごく面白い。
孫はバンドで生きていきたいしおばあちゃんにお金せびるしなんなんだコイツ、と思ったら割と純朴でいちいち笑ってしまう。
今時同じコップで飲まれて不快感ならともかく間接キッス//ってなる大学生、いるのか・・・?すれてない真っ直ぐな子に育ててもらったと捉えればいいのか・・・でも音楽への姿勢とかもきちんと考えている子だし、いい孫だ。



孫の話はそのくらいにして、


多部ちゃんは見た目20代、中身はおばあちゃんという特殊キャラをしっかりと演じていてさすがの一言。
人生経験がないと伝えたいことも伝わらないって話はよくあるけれどなるほどこういうことか、と。
ある場面で多部ちゃんが「頑張ったね」って相手にいうシーンがあるのですが、もうポロポロ泣いてしまった。相手と自分にかぶるところはほとんどないのにこっちまで労わってもらえた。


この映画の1番のセールスポイントでもありそうなのが音楽関係のシーン。
多部ちゃんが歌いまくりで、とても上手い。音程を外さないという意味ではなく表現力が抜群。「悲しくてやりきれない」を歌うシーンとかね。もちろん他も素晴らしかった。音楽プロデュースはMy Little Loverでも有名な小林武史さんとのこと。昭和懐メロのアレンジが見事。

あとこの音楽に合わせるようにか、多部ちゃんのファッションは50〜70s風でレトロでキュート。個人的にはオードリー風ファッションがもうありえないくらい可愛くってこれだよこれ!ってなってた。


ストーリーに関わってくるお年寄り組が生き生きとしてる。そりゃ色んな苦しい思いもあったけれどいま幸せだよっていう勢いが半端ない。対して娘関係はどうにも辛かった・・・だからクライマックスでは余計に号泣。


まだ若者と言われる年代だから人生についてあれこれ語る資格はないけれども、
いつか年老いたときにああ幸せだったなって後悔がたくさんあっても思っていたいと思えた作品でした。






蜜のあわれ(2016・日)


ロフト様で売っている「ワナドゥ手帳」を使用し始めたのですが、読み返すと支離滅裂でドン引きしました。
なので、やっぱりこっちもやろうかな・・・



「蜜のあわれ」★★★★☆


まず前提として、わたしは大正ロマンだとかレトロだとかが好きです。文化自体もそれに関連した作品群も。
ただ最近出てくる作品はなんちゃってというかそういうのすきでしょ?売れるでしょう!みたいなのが透けて見えたり、考証が雑で萎えることも少なくないのですがその点この作品は良かった。

始まり、もといOPも昭和ドラマのようだし、服装や言葉遣いに至るまで基本的に丁寧だった。撮影地的に仕方ない部分はあるにせよ、世界観がうまく構築されていて引き込まれる。

筋書きは金魚ながら人間の少女となった「赤井赤子」と「おじさま」を中心とした官能的な交流。でも下品さも薄くて絶妙。唯一現実的故に生々しい描写はあったけど他は生々しさは感じられなかった。
4つの章に分かれていて多少増長に感じたかな・・・


なによりも役者が素晴らしい。
ヒロインを演じる二階堂ふみちゃん、あんなに可愛いのに濡場も露出もこなしてこれは映画オファーたくさんくるな、と納得。同年代女優も結構美人さんが多いけれどこの手のシーンを出来るのって彼女以外あまり浮かばない(知識がないだけ)
あと、たとえば「〜だわ」の「わ」とかアクセントが独特で絶妙。現代的さを消していて作品世界に馴染んでいた。真っ赤な洋服もよく似合っていました。

おじさま、を演じる大杉漣さんはもうなんとちうか素晴らしい。
職場のハラスメント野郎が冗談抜きでアレすぎて周りから人事にチクるのを勧められる現状のせいでおじさんとやらに耐えられないかと思ったけど全くそんなこともなく。
気持ち悪さがないのに欲に負けてて変態じみていて良かったです。

恋のライバル?真木よう子さん、良かったです。ネタバレキャラなので特には書きませんが二階堂ふみちゃんとのアレなシーン最高でした。ありがとうございました。あるとは思わなかったから余計に感激いたしました。  

そうそう、芥川龍之介もなかなかいい立ち位置でした。


期待していたより良かったかと言われると微妙なところ。
とはいえエロティックでレトロな世界観とそのなかで違和感なく存在して見せた役者さんたちは期待以上。こういう作品がもっと増えるといいのになあ。なかなか問題もあるとは思うのですが、時代劇同様日本独自のものだし、時代考証もそこまで困難ではないはず・・・
少女椿が少し近いですが、ちょっと既に残念な点があるので観るかは迷いどころ。




宝塚月組「舞音」/「GOLDEN JAZZ」

すっかりアップするのを忘れていた。

月組はいつの間にかマギーさんやコマさんが専科にいったり、龍さんが退団発表されたりして1年でずいぶん変わった気がします。
とはいえ下級生にも良さそうな子が増えてきて、特に娘役の豊富さはなかなかだと思う。
てなわけで、感想。


龍真咲様
まさお節と呼ばれるお歌ですが、耳に残るので私は好きです。音を外していなければ個性があってもそこまで気にならないし。
優秀な軍人が愛に溺れていく様が美しかった。
とにかく華やかだなと見るたび思わされます。月組トップさんてイケメンとか実力派とかの前にそもそもスターオーラある人多い気がする。 

愛希れいか様
腹筋とにかく綺麗。そして95期3人娘は実力があって見てて幸せです。マノンの奔放さ、これは夢中になってしまうわ。
あとショーのアフリカンダンス。軽やかで楽しそうで、ちゃぴのダンサーっぷりを見せつけられた。彼女も就任当初はいまいち不遇だった感はあるけどここまで来れて本当に良かったです。

美弥るりか様
ほとんどセリフのない役ではあー?と思ったのですが影なのに存在感が強烈で、もっと良い扱いをと祈りたくなった。

凪七瑠海様
奥様とも幸せなエリート君。ショーでも自然と目立つし昨年のオイディプス以来演技もなかなかだなあと。彼女もみやるりもしんどい時期があったけれどどうにか乗り越えてくれていたなら嬉しい。

珠城りょう様
闇キャラクオン。彼、実際のところ女店主のことはどう思ってたんですかね。まだ割と若手なのに色気があるし華奢めな月組男子の中でガッシリしていて娘役さんも上手くリフトしそうだし2番手も納得。
 
朝美絢様
イケメンあーさ。とにかくイケメン。歌もわりと歌えていたしエイエン以来あーさの注目度上がってるよね。前からか? 
95期他組男役が3番手になったらポジション確立していく中で今後が気になる存在になりました。

海乃美月様
くらげちゃん、大人っぽくて少し幸薄そうな感じが好きだ・・・
ちゃぴから民謡を歌い継ぐところは鳥肌。そういえばねねあゆ姉妹と同郷ですけど富山って美人多いのかな?

早乙女わかば
星から来た時は一体何がと思ったのですがくらげちゃんとW2番手として彼女とはまた違った魅力でご活躍されていました。
カロリーヌ嬢の清楚な雰囲気もぴったり。

暁千星様
正直、マノンではそこまで気にしていなかった・・・のですが、ショーで目を引きました。
まだまだ下級生なのでこれから実力がより伸びてイケメンになりそう。


ショーのタンバリン、私買わずに行ったんですが買えば良かったー!高いものじゃないし買って損はないですよ!

宝塚星組「LOVE&DREAM」

新年最初に楽しい作品を見れました・・・!

第一部はディズニー。
夢の街へ行くふうちゃんと車掌みっちゃんでスタート。
そこからが星に願いを→ハイホー→ミッキーマウスマーチ→ジッパディ〜→ビビデバビデブー→小さな世界のメドレーが素晴らしすぎる!
気分はもう舞浜。
そのあともたくさん素敵な曲だらけで改めてディズニーの世界は素敵だなと。
カイちゃんのパイレーツ→アンダーザシーの流れや、みちふうの美女と野獣、かいちゃんみねりちゃんの輝く未来、ふうちゃんの自由の扉などなど書ききれないし目が足りない!
まさこさんの王子っぷりやあーちゃんのティンクもディズニーでした。
もちろんみっちゃんのかっこよさもふうちゃんの可愛らしさも。
そしてラストのみっちゃんふうちゃんのシンデレラの下り、ガラスの靴の演出をまさかやるとは思わなかった・・・ありがとうサイトー先生。


第二部は宝塚メドレー。
知らない曲もあったけれどやっぱりいい曲が多いな〜
ベルばらもなんだかんだ曲は耳にすぐ残るしもう本当に感動してしまった。
そしてまさかのリナ復活www7年ぶりでもきちんと着れるみっちゃんさすが!
ふーちゃん、ひーちゃん、あーちゃん、ほーちゃん、じゅりちゃんのTレディーズも可愛かったしあの衣装霧駅のだよね!
サイトー先生最高だ・・・


明後日マノンも楽しみだしまだまだあるけどとにかく最初がこの作品でよかった!

「デジモンアドベンチャーtri. 第1章」がエモすぎた

ここのところ、15〜20年前にやっていた女の子向けアニメのグッズが大人向けにアレンジして発売されたり、プライズが出たり、はたまた再アニメ化や原作の復刻もしている。
どれも当時子供だった私には嬉しかったし今回のデジモン映画も待ちに待った感があった。

1999年からもう16年経って、デジモンの舞台であったお台場も大きく変わった。
そういえばヒカリがデジモンに連れ去られる工事現場も今では代表的なショッピングモールだし、大変素晴らしいアイドルフェスも行われる街になるとは。



このアニメが決定した時、子供達のキャストが変わったのが少し悲しかった。
でも小学生が高校生になるわけだし、そりゃ仕方ない。実際見てたら割とどうでもよくなった。
でもデジモンの声が変わっていなくてすごく嬉しかった。子供たちの名前を呼ぶその声が同じで色々なことが蘇った。好きだったなあ本当に。
あと懐かしい小ネタもあったりして思っていた以上にエモかった。

ストーリーの中で、成長した子供達が今も楽しそうな中で戦うことに悩む太一と、迷はえるヤマトがかつてとは正反対で切ない。
普通の高校生寄りなのはたぶん太一なのかなとは思うけれど。

相変わらずサッカーしてる太一とバンドが音楽性の違いで解散したヤマトと、よりお姉さんになった空の複雑な関係性が面白すぎる。いや、ていうかヤマトと空は・・・え?あれ結構ショックだったのになかったことになったの? 
他の子供達も良い意味で変わらず成長していてホッとしたのですがジョーに彼女がいるのは笑ったw常に受験に悩まされ今回も悩まされてる割にちゃっかりしてるな!
そういや02の映画(ディアボロモンの逆襲)でラスト女の子といたけどあの子かな?

一切新しくしました!ではなくて、映画版の話も盛り込まれていてご新規様向けというよりも当時のファン向け感が強かった。
何よりもOP、ED、進化曲が当時と同じで。
OPEDはアレンジされてたけど良かった。EDがエレクトロ風なのは映画の舞台の頃に人気が爆発した某ユニット意識なのかな?
ED、小さい頃歌詞カード見ながら歌ってたなあ〜ミミちゃん好きだったしね。
進化曲、あの頃は失礼ながら別に何とも思ってなかったけれどイントロだけで当時が蘇って挿入歌にも恵まれた作品だったんだと今更実感した。

EDは次の章はまた違うっぽいけれどkeeponなら嬉しい。


キャラデザは違うし、思うところもあるけれど、残して欲しかったことは残していていい意味での新作だったと思う。
大人たちの必要性がアッシー的なこと以外ぶっちゃけ見当たらないので、次回そこの描写があると良いな。あと02メンバーはどうなったのかも気になります。

「杉原千畝」

先週観て、メモっていたのをまとめました。
相変わらずの文章力の低さですが。


今回この作品で何より評価したいのは、感動を前面に出していないところ。
そもそも杉原氏はスパイ的な役割を担っていた事実を淡々と映している。
昨今の杉原氏の偉業の紹介ではビザを発給しました、で終わりなのが戦後まで描かれていて、だからこそ自然に感動できる。
杉原氏がビザ発給を宣言するシーン、一度暗くなってから唐沢寿明さんのアップで始まり、ドラマあるある演出とはいえ鳥肌が立った。

なぜこんなことを書いたかというと、そこそこ期待していた「海難〜」が徹底してお涙頂戴もとい泣かせます姿勢だったから。
史実は今回の「杉原〜」みたいな形で映像化するのが好きです、わたしは。


序盤の杉原氏はスパイとしての面が強調されている。そんなシリアスななか出てくる板尾創路さんとのちの妻となる小雪さん。小雪さんは久々に拝見しましたが相変わらずお綺麗でした。

そこからリトアニアの話になるのですが、ここで出てくる運転手のポーランド人が結構記憶に残った。彼の国はその時期にはなくなっていたのだけれど、同じように国のないユダヤ系民族に偏見を持っている。
今はユダヤ系民族で世界的に活躍する方がたくさんいらっしゃるからかあまり目にしないけれど、何千年の歴史の中で差別されてきた彼らの姿に映画とはいえ胸が痛んだ。
特に苦しかったのが、ビザを求めた彼ら、なかでも子供が寒空の下お腹を空かせているその側で、暖かい空間でお菓子を食べている杉原氏の同僚ら、という対比。
最終的には発給に至るとはいえ、時代の残酷さを垣間見た気がした。

ビザを発給、のくだりは他の再現ストーリーと変わらないのですが、ビザにサインをする疲労を軽減するためにポーランド人のペシュがハンコを持ち込んだのは彼の存在も含め事実だったんですね。

感動物語なら発給でおしまいなのをその後も描いていたのですが、この終盤でのあるシーンでの小日向文世氏演ずるセンポの上司の表情にびっくりした。あきらめのような希望のような。彼のような心情になった戦前までのエリートはきっと多くいた気がする。
あと、ゲシュタポの話とか。正直これ海外では上映アウトだと思うんですが、それよりもクオリティを追求したようで・・・史実ものをやるならそのくらいしてほしいです。
そして、スパイ時代の仲間?でもある女性がセンポに「ユダヤ系の夫はアメリカに亡命したあと科学者になった」ことを謝罪する手紙を送るのですが、直接ではないけれどそれが意味することを多くの日本人は知っているわけで、感動もののなかでその現実の残酷さもあるのだと嫌でもわかってしまった。

彼の話とは少しずれて、強制収容所の戦後の話もすこーし出てくる。
センポが切手をあげた男の子がその収容所の雪に埋もれていて。
日系人部隊が見つけて微笑みかけられ、センポと勘違いするシーン、ベタなんだけれどモブ兵士の表情も含めとても良くて、しかもこれが実話なのだから現実は不思議なものです。

ラストは穏やかに締めくくられる。
事実を淡々に、時に残酷にも写していたからこそ妙に暖かかった。
その後のEDで、彼の偉業とそれに対する評価が紹介されたのですが、日本の外務省が彼の名誉回復をしたのは2000年という遅さ。
かのジャンヌダルクが聖人認定や名誉回復までにかけられた時間に比べれば短いし、色んな要因があって回復したくてもできなかったとは思うのですがせめて生前にと思わざるをえない。


唐沢寿明さん、やっぱり凄いなというか、頭の良さも人としての優しさもスパイとしての冷静さもすべてひっくるめて素晴らしかったです。



杉原千畝氏のビザで命が助かった人々のその後が少し出てくるのですが、多くが笑顔で未来への希望に溢れていて。彼らの子孫はいまは400万人を超えるそうです。1人の力がそんなにも人々を救うとは。
長い時間はかかったけれど21世紀の今、語り継がれるようになりそして丁寧に彼を描いた作品もこんな風に大きく上映されるようになってよかったです。

もう一つ、同時代ものの作品として「母と暮らせば」も近いうちに見たいなー、いつになるのやら。