星組新トップコンビの発表。
貞子VS伽倻子
★★★★☆
めっちゃ面白かった!そして怖かった!
角川40周年記念映画でありそしてお祭り作品。
ホラーでこんなに笑えるってなかなかないのではないかと・・・
Jホラーといえばそのじわじわとくる怖さ、振り返ると奴がいる恐怖など
他国のホラー作品にはない恐ろしさが評価されています。
その代表例が「リング」の貞子。
真っ白なワンピースに長く垂れ下がった黒髪というアイコンは
今やリングの名を知らない人たちにとっても知れた存在になり、
お化けの表現として(おそらく)もっともメジャーなものになっています。
私の高校時代を思い出しても、ホラー映画を自主制作しようとなって
出てくるお化けはセーラー服だろうとブレザーだろうと貞子スタイルだったなあ・・・
呪いのビデオ、という不可抗力的存在もまた人気のひとつなように思います。
観ていないけれど。
あ、あと仲間由紀恵さんが生前の貞子をされてましたねwあんなかわいいのね・・・
一方の「呪怨」の伽倻子はどちらかというとその息子・俊雄のインパクトに
負けている感がなくもないですが、初期の布団に潜っても襲いかかる
こちらもまた避けられない恐ろしさで知られています。
ちなみにこの二人と俊雄くんのHPなどが公式サイトに掲載されているのは笑うしかない。
そもそも日本って昔からコワーイ話、好きですよね。
平安時代に書かれた「大鏡」では丑三つ時に肝試しをする話があり(まああれは藤原道長スッゲー!が一番のアピールポイントな気もするけれど)、江戸時代には四谷怪談や
お皿が足りないといって出てくるお化けがいたりして。
そういえば江戸時代のこのおふたりは井戸から出てきますね。貞子・伽倻子とも縁の深い?場所。
その後もとい現代でいえばやっぱり「学校の怪談」でしょうか。
映画の「学校の〜」は小学生のときにみたらそれなりに怖くて、少し成長してみると戻らないあの夏休みを思い出したりノスタルジックさがある、いわば和製スタンドバイミー的な良さもありますよね、というのは個人の意見ですが。
ということでやっぱりJホラーが生まれるだけの要素っていうのはあるんだと思いますよ。
民俗学という学問がきちんと存在しているのもその一つなのかも。
そして今回の貞子VS伽倻子はそんな怖い話大好き日本人が産んだ二大バケモンの
対決が描かれています。
と書くとただのギャグっぽいけれど、2人の作品が世に出たのはもう20年近く前。
そもそもこの2作品を知らないひともたくさんいるからか、
二人の恐ろしさをきちんと表現し、新しい展開も見せているのできちんとホラーになっていました。
どういう呪いのシステムなのかや具体的な現象まで描かれているので本当に怖かった。
貞子伽倻子といわれていますが、俊雄くんも大活躍です。ていうかなんなら俊雄くんがヒロインだし一番かわいそう(意味不明なネタバレ)。
まあママはラスボスだもんね、仕方ないね・・・・
そうそう、貞子はVHSから出て来るお化けなので今時意味ないじゃん!と伽倻子が政見放送で煽っていましたが、そこは問題なし。人間からしたら大有りですが。
山本美月さん、玉城ティナさんもとっても美人さんで癒しでした。
バケモン同士のバトルはとにかく面白いし、オチはとんでもないことになっているので前半のホラーっぷりに耐えられるなら観て損はないと思います。
後半は怒涛の展開すぎて笑いそうになるんですがクライマックスで完全に腹筋が崩壊しました。
そしてエンドロールと共に笑いに包まれる会場・・・
好みはわかれると思いますが幸せになれました(?)
あえて不満なところをあげるとすればホラーパートの「そこいるか・・・?」ってところなんですが、まあ二人がいかに恐ろしいか表現するには
必要だったのかな。
デッドプール
宙組エリザベートの配役!
ロイヤルナイト 英国王女の秘密の外出
★★★★☆
エリザベス2世、といえば
英国史にその名を輝かせる処女王ことエリザベス1世を超える
英国王室最長の在位年数を誇る現女王様。
御年90を越えながらも公務に忙しく、圧倒的人気を誇りながらも
孫が現在の奥様にプレゼントされたWIIに熱中したり、まさかの公式twitterを
開設したりとそのアクティブかつオープンなお姿も話題に・・・
っていうのはwikiでも散々書かれていること。
今作では、実際に彼女が1945年の戦勝記念日にお忍び外出をしたエピソードを
脚色して作られたフィクションとしての女王の王女時代が描かれています。
公式サイトでもローマの休日の○年前、といういいかたをしているだけに
どことなくローマを意識した作りであることは伺えます。
とはいえ彼女は現実かつ現役なのであまりにぶっ飛んだ感じはない。
バスの中で出会ったジャックとの交流と同時に描かれるのは「いずれ女王になることへの自覚」でした。
記念日に沸き立ち、演説には聞き入る。高揚感はあって、だけれども単純なことではない知り、自分たちが豪華な食事をしている一方で貧しい中生きる国民の姿を見て彼女は統治者としての自我に目覚めていく。
たくさんのエキストラを投入しているからか高揚感はとても伝わるし、王女の成長がとても鮮明でした。
フィクションなのに、現在の王室のオープンさや女王のカリスマ的人気を見てなんだか納得できてしまう作り。
(孫である王子が自分より自分の生まれたばかりの子供のほうが髪がふさふさ、なんて言ってたのはオープンってレベルを凌駕してる感あってびっくりしました)
そして彼女の妹マーガレットもおちゃめで可愛い。世間を知らないからこその振る舞いにハラハラするけれども良い意味で姉のエリザベスと対照的。
姉妹のシーンはとってもキュートでしたよ。
彼女の父親、といえばあの「英国王のスピーチ」でも知られるジョージ6世ですが、
彼の演出や扱いも無個性化されておらずこっちも個人的にはポイントが高かったのですが、王妃がただのうるさいママになってしまったようでもったいなかったなー。
エリザベスと出会うジョージは軍服がとても似合ってイケメンでした(凡)
彼がどんな人物なのかはエリザベス視点でしか明かされないので一つ一つの行動が気になるし疑ってしまう。ただの一般的国民にしなかったからこそ王女の成長がよりわかりやくなったと思います。
あと、姉妹のお付きである兵士2人(一人は大尉だったかな)がすごく面白い。
そもそもこの二人が事件のきっかけなんですよね・・・王に無礼は働くし酔っ払うしいちいち笑わせてくれて面白かった。
少し残念だな、とおもったのはラストのあるシーン。
そこはなくてよかったのにな、と思ってしまった。
とはいえエリザベス女王をはじめとした英国王室への敬意が溢れながらも
ロマンチックな作りになっていて90分と少しながらとても
満足でした。